【恐怖の年齢詐称】ピグパーティで出会った19歳女子の正体は50歳だった

インターネットという仮想空間は、時に現実以上に鮮やかな自分を作り出すことができる魔法の場所だ。しかし、その魔法が解けたとき、目の前に現れる現実は、時に想像を絶する恐怖を伴う。

以前の話になるがこれは、あるチャットアプリを通じて「19歳の女子大生」と出会ったはずの私の友人が体験した、戦慄の記録である。オンラインでの出会いが日常化した現代において、我々が忘れてはならない「人間の業」と「嘘」の深淵について、詳しく語っていきたい。

目次

  • 1. アバターコミュニティ「ピグパーティ」とは何か
  • 2. 出会い:画面越しに咲いた「嘘の華」
  • 3. 邂逅:和泉中央駅に現れた違和感の正体
  • 4. 密室の絶望:カラオケボックスでの決定的瞬間
  • 5. 衝撃の結末:息子からの告発電話と50歳の真実
  • 6. まとめ:オンラインの出会いに潜むリスクを回避せよ

1. アバターコミュニティ「ピグパーティ」とは何か

まず、今回の事件の舞台となった「ピグパーティ(Pigg Party)」について解説しておく必要がある。

ピグパーティとは、株式会社サイバーエージェントが提供している、自分好みのアバター(ピグ)を作成し、仮想空間で他ユーザーと交流を楽しむ着せ替えチャットアプリである。かつて一世を風靡した「アメーバピグ」の後継サービスとして、特に若年層を中心に絶大な人気を誇っている。

ピグパーティの主な特徴

  • 高いカスタマイズ性: 数千種類におよぶアイテムを組み合わせ、自分だけの理想のアバターを作成できる。
  • パーティ(部屋)機能: 自分の部屋に他ユーザーを招き、特定のテーマでチャットを楽しめる。
  • 匿名性による解放感: 現実の容姿や身分を隠し、別人格として振る舞うことが可能。

しかし、この「アバターで繋がる」という特性が、今回の悲劇の引き金となった。ピグパーティ内では、現実の容姿は一切関係ない。どんなに冴えない現実があろうとも、画面の中では「理想の自分」として振る舞うことができてしまうのだ。

※重要:ピグパーティの規約では、出会い目的の利用やSNSのID交換は固く禁じられている。しかし、悪意を持った人間は巧みにこの網の目をくぐり抜ける。

2. 出会い:画面越しに咲いた「嘘の華」

友人がその「女」と出会ったのは、ピグパーティ内のとある雑談パーティだった。彼女のアバターは、今どきのトレンドを取り入れた非常に可愛らしい19歳の女子大生を彷彿とさせるものだった。

言葉遣いも丁寧で、時折見せる年相応の(と思われる)無邪気な反応に、友人は次第に惹かれていったという。本人曰くのりが良く、異様に面倒見が良いらしい。「自分も19歳に近いし、気が合うかもしれない」。そう思った友人は、運営の監視を逃れるように、Twitter(現X)のアカウントを交換した。

Twitterでのやり取りが始まると、彼女はさらに積極的にアプローチしてきた。送られてくる自撮り写真は、顔の一部が加工されているものの、若々しく、清純な雰囲気を漂わせていた。でも違和感はあったらしく、目だけがドアップで掲載されていた。「一度、会ってみない?」その誘いに、友人は二つ返事で応じた。これが、悪夢の始まりとも知らずに。

3. 邂逅:和泉中央駅に現れた違和感の正体

待ち合わせ場所に指定されたのは、大阪府和泉市にある和泉中央駅だった。その「女」は大阪府の和泉市付近に住んでいるからだった。友人は期待に胸を膨らませ、少し早めに到着して彼女を待った。

しかし、待ち合わせ時刻に現れた人物を目にした瞬間、友人の思考は凍りついた。「あ、〇〇君?」と声をかけてきたのは、どう贔屓目に見ても「19歳」には見えない女性だった。

友人が感じた決定的な違和感

  • 肌の質感と雰囲気: 45歳以上、あるいはそれ以上の年齢を感じさせる「生活感」。
  • 頑ななマスク: 挨拶の際も、決してマスクを取ろうとはしない。
  • 服装のミスマッチ: 19歳が好むような若作りをしたファッションが、かえって年齢を際立たせていた。

友人はパニックに陥りそうになったが、あまりの衝撃に言葉を失い、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。しかし、彼女の方は慣れた様子で、「予約してたカラオケに行こう」と促してきたのだ。

4. 密室の絶望:カラオケボックスでの決定的瞬間

和泉中央駅近くのカラオケボックスに入った二人は、狭い密室で向かい合うことになった。ここでも、彼女はマスクを外そうとしない。それどころか、友人が何かを察していることに気づいているのか、妙にハイテンションで喋り続けた。

しかし、会話を重ねるほどにボロが出てくる。流行の歌を知っていると言いつつ、彼女が選曲するのはどれも世代が異なるものばかりだった。「異邦人」やキンキキッズの「愛のかたまり」?といった曲ばかり選ぶ。ジュネレーションギャップという言葉では片付けられない、決定的な「時代のズレ」。彼女が口にする「19歳の日常」は、どこか借り物のような空虚な響きがした。

そして、決定的な瞬間が訪れる。歌い疲れた彼女が、喉を潤すためにドリンクを手に取った。ストローを口に運ぶその一瞬、彼女はわずかにマスクをずらしたのだ。

「ガン見したら、顎も二重か三重顎ではないか! どう見ても、19歳ではない。」

露わになった彼女の顎のライン。そこには、19歳の瑞々しさは微塵もなかった。重力に抗えず垂れ下がった肌を目撃した友人は、恐怖と嫌悪感で戦慄したが、その場を穏便に済ませるために、追求することなく解散した。

5. 衝撃の結末:息子からの告発電話と50歳の真実

物語はここで終わらない。数日後、友人のスマートフォンに一通の見知らぬ番号から電話がかかってきた。不審に思いながらも電話に出ると、相手は若い男性の声でこう切り出した。「突然すみません。先日、母と会いましたよね?」

電話の主は、あの女性の実の息子であった。彼から語られた真実は、友人の予想を遥かに超える凄惨なものだった。

  • 実年齢は50歳: 彼女は19歳どころか、45歳ですらなく、50歳の熟年女性だった。
  • 常習的ななりすまし: 彼女は以前からアプリを使い、若い男性を「引っ掛けて」遊ぶことを繰り返していた。
  • 息子の告発: 母親が夜な夜な若い男と電話をし、騙していることに耐えかねた息子が、母親の携帯から番号を特定して電話をかけてきたのだ。

彼女は家庭内でも「次はどんな若い男を引っ掛けてやろうか」といった内容を口にしていたらしく、その執念はもはや狂気と言わざるを得ない。非常に恐ろしい世界である。

その「女」はストレスも溜まっていたのだろう。ネットの世界だけは偽れる、いつもの自分から解放されるという思いがあったのかもしれない。

そのはけ口が、ネット世界だった。経験のない人を騙そうとする輩は多い。そして時に、自分がどんなものかを隠そうとする、そういう人がわんさかいる世界だ。

6. まとめ:オンラインの出会いに潜むリスクを回避せよ

この体験談から得られる教訓は、極めて重い。オンラインでの出会いは、手軽である一方で、相手が語るプロフィールの真偽を確認する術が極めて少ない。

ネット社会を生き抜くための3箇条

  1. 匿名性の罠を疑う: アバターや加工写真は、いくらでも偽装可能である。
  2. 規約を遵守する: アプリ内の禁止事項(外部連絡先交換など)を守ることが、最大の自己防衛になる。
  3. 現実の繋がりを重視する: 実際に顔を合わせ、背景が分かっている人物との交友を主軸に置くべきである。

友人はその後、オンラインでの出会いを一切断ち切り、リアルの友人関係をより一層大切にするようになった。インターネットという海には、美しい鱗の裏に鋭い牙を隠し持った存在が潜んでいる。あなたの画面の中にいるその人物は、本当に「本物」だろうか?