沖縄県、八重山諸島。石垣島や西表島といったメジャーな島々の間に、ひっそりと浮かぶ小さな島があります。
その名は、鳩間島(はとまじま)

かつて社会現象を巻き起こしたドラマ『瑠璃の島』の舞台であり、NHK朝ドラ『ちゅらさん』などの沖縄ブームの中でも、特に「原風景」としての存在感を放ち続ける場所です。
八重山諸島の中でも一番に小さいと言われるこの有人島には、コンビニもなければ、リゾートホテルもありません。あるのは、息をのむほど美しい「瑠璃色」の海と、ゆったりとした島時間だけ。

今回は、そんな鳩間島の魅力、失敗しない宿選び(民宿マイトウゼ)、そして冬場のアクセス難易度や絶景スポットまで、鳩間島旅行のすべてを網羅した旅行記をお届けします。

【目次】

  1. 八重山屈指の透明度!「瑠璃の島」のロケ地・鳩間島とは
  2. 【難易度高】アクセスと冬のフェリー欠航に注意
  3. 宿泊は「民宿マイトウゼ」が絶対おすすめな理由
  4. 島のおすすめ観光ルート:灯台からコート盛へ
  5. 鳩間ブルーを独占!ビーチと星空の魅力
  6. ランチ事情と熱狂の「鳩間島音楽祭」
  7. まとめ:何もしない贅沢を味わう旅

1. 八重山屈指の透明度!「瑠璃の島」のロケ地・鳩間島とは

鳩間島は、西表島の北わずか5.4kmに位置する、周囲約4kmの小さな島です。人口はわずか数十人。歩いて一周しても1時間〜2時間程度というコンパクトさが特徴です。

2005年に放送されたドラマ『瑠璃の島』(成海璃子さん・竹野内豊さん主演)のロケ地として一躍有名になりました。ドラマの中で描かれた「親のいない子供たちを里子として受け入れ、過疎化する小学校を存続させる」というストーリーは、実際にこの島で行われていた取り組みがモデルになっています。

観光地化されすぎていないからこそ残る、昔ながらの沖縄の風景。白砂の小道、珊瑚の石垣、そして真っ赤なハイビスカス。都会の喧騒を離れ、本当の意味での「癒やし」を求める旅人にとって、ここは最後の楽園と言えるかもしれません。

2. 【難易度高】アクセスと冬のフェリー欠航に注意

鳩間島へのアクセスは、石垣島の「石垣港離島ターミナル」から高速船またはフェリーを利用します。所要時間は高速船で約40分〜50分(西表島の上原港を経由する場合あり)。

しかし、ここで最大の注意点があります。それは「季節による就航率の違い」です。

⚠ 冬の鳩間島は「難易度高め」です!鳩間島は外洋に面しており、防波堤も小さいため、波の影響を非常に受けやすい島です。
特に北風が強くなる冬場(11月〜3月頃)は、海が荒れるためフェリーが頻繁に欠航します。「石垣島から行こうと思ったのに船が出ない」「島に渡ったはいいが、数日間帰れなくなった」というトラブルも珍しくありません。

確実に旅を楽しみたいのであれば、海が穏やかになる春から夏(特に梅雨明け後の6月下旬〜7月)がベストシーズンです。冬に行く場合は、日程に十分な余裕を持ち、当日の朝一番に運行状況を確認するフレキシブルな対応が求められます。

「しげ旅」さんの動画でもそのことが触れられています。

3. 宿泊は「民宿マイトウゼ」が絶対おすすめな理由

鳩間島にはリゾートホテルはありません。宿泊は基本的に「民宿」となります。数ある民宿の中でも、私が心からおすすめしたいのが「民宿マイトウゼ」です。

ペンション「マイトウゼ」

民宿マイトウゼ(Maitouze)

ご夫婦で営まれている、温かいおもてなしが魅力の民宿です。「マイトウゼ」という名前は屋号に由来しています。

おすすめポイント

  • 部屋が独立していて清潔
    離島の民宿というと「壁が薄い」「隣の音が気になる」というイメージがあるかもしれませんが、マイトウゼの客室は離れのコテージのように独立しています。プライバシーが保たれ、掃除も隅々まで行き届いており非常に快適です。
  • 一泊二食付きで安心
    飲食店が少ない鳩間島では、食事がついていることは非常に重要です。奥様が作る島の家庭料理は絶品。夕食時に他のお客さんとゆんたく(お喋り)するのも旅の醍醐味です。食事は離れのオーシャンビューのゆんたく場所でいたただきます。マスターが作られた食事場所から夕暮れを眺めながら食べる食事は本当に素晴らしいです。食事はどれも美味しいです。愛情たっぷりの料理が最高です。
  • コイン式エアコン完備
    部屋にはコイン式のクーラーが設置されています。100円玉を入れるレトロなスタイルですが、自分の好きな温度で快適に過ごせるのは暑い沖縄では必須条件です。

基本情報・予約について

予約方法電話予約のみ承っています。
ネット予約はできないため、直接お電話で空き状況をご確認ください。ペンション マイトウゼ
チェックアウト朝9時
少し早めの時間設定ですが、朝の涼しいうちに次の行動へ移れるため、アクティブな一日を始められます。

4. 島のおすすめ観光ルート:灯台からコート盛へ

島に到着したら、まずは荷物を宿に預けて散策に出かけましょう。自転車を借りることもできますが、小さい島なので徒歩でも十分に回れます。むしろ歩いたほうが鳩間島の場合はいいかもしれません。道がゴツゴツしている場合もあるからです。

① 鳩間島灯台

鳩間島灯台

集落の中心から坂道を登っていくと、島のシンボルである白亜の灯台「鳩間島灯台」が現れます。
小高い丘の上に立っており、ここから眺める景色は爽快そのもの。ドラマ『瑠璃の島』でも象徴的なシーンで度々登場した場所であり、ファンならずとも必ず訪れたいスポットです。

② コート盛(火番所跡)

灯台の近くには、「コート盛(盛り)」と呼ばれる史跡があります。これは琉球王朝時代、海上の船を監視するために使われた火番所(ひばんどころ)の跡です。

石積みの階段を登ると、そこは360度の大パノラマ!
目の前には雄大な西表島の姿、そして眼下にはエメラルドグリーンから群青色へとグラデーションを描く海が一望できます。風が通り抜けるこの場所は、島一番の絶景ポイントと言っても過言ではありません。

5. 鳩間ブルーを独占!ビーチと星空の魅力

八重山屈指の透明度を誇るビーチ

鳩間島のビーチは、石垣島や他の離島と比べても透明度が抜群です。おそらく八重山の海では屈指のレベルでしょう。

観光客が少ないため、ビーチに行けばそこは自分だけのプライベートビーチ状態。「屋良浜(やらハマ)」や「立原浜」など、島の周囲には美しい浜が点在しています。
シュノーケリングセットがあれば、浅瀬でも色とりどりの熱帯魚や珊瑚に出会うことができます。ただただ波の音を聞きながら、瑠璃色の海を眺める時間は、何物にも代えがたい贅沢です。

鳩間島の海

夜は満天の星に包まれる

日が沈み、夜が訪れると、鳩間島はまた別の顔を見せます。
街灯がほとんどないこの島では、見上げれば満天の星。天の川が肉眼ではっきりと見え、流れ星も数分に一度は見つけられるほどです。

民宿マイトウゼの庭先や、防波堤に寝転がって星空観察をするのがおすすめ。波音をBGMに宇宙を感じる体験は、都会では絶対に味わえません。

6. ランチ事情と熱狂の「鳩間島音楽祭」

島のランチ事情

鳩間島には飲食店が数軒しかありません。港の近くにカレーや沖縄そばを提供するカフェや食堂がありますが、不定休のお店も多いのが現状です。

【アドバイス】 船の到着時間に合わせてお昼のみ営業するお店が多いため、ランチ難民にならないよう、オフシーズンに行く場合は石垣島でおにぎりやパンを買って持参するか、宿の方に営業しているお店を聞くのが確実です。

島が揺れる一日「鳩間島音楽祭」

普段は静寂に包まれている鳩間島ですが、年に一度だけ、島が人で溢れかえる日があります。
それが、毎年ゴールデンウィーク(5月)に開催される「鳩間島音楽祭」です。

有名アーティストや島唄の歌い手が集結し、港前の広場で盛大なライブが行われます。この日ばかりは石垣島からの臨時便も出て、小さな島に数千人の観客が押し寄せます。音楽と踊り、そして泡盛で島全体が熱気に包まれる特別な一日。静かな島も良いですが、このお祭りの高揚感を味わうのもまた、鳩間島の魅力の一つです。

7. まとめ:何もしない贅沢を味わう旅

鳩間島は、「観光スポットを次々と巡る」ような旅には向いていないかもしれません。
しかし、ここには「何もしない贅沢」があります。

  • 八重山一美しいと言われる透明な海
  • ドラマの世界そのままの素朴な集落
  • 民宿マイトウゼでの温かい交流
  • 圧倒的な星空と静寂

「疲れた心をリセットしたい」「本当の沖縄を感じたい」。そう思ったら、ぜひ次の旅行先は鳩間島を選んでみてください。少し不便で、最高に美しい島時間が、あなたを待っています。

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